オーストリッチの魅力を徹底解説!オーストリッチはダサい?
オーストリッチをおばさんの素材だと思っている人は多いかと思います。
もうダサい、流行らない。と。
ええ。流行りはしないと思います。
このサイトの検索ワードにもオーストリッチおばさんが上位ランクインしています笑(私が書くからだけどw)
25年前ぐらいが一番のピークだったんじゃないでしょうか。
お値段もその時が一番の高値だし、取り扱う業者はビルが建つぐらい売れていたと思います。
いま、そんなビル持ち経営者がバタバタ廃業し、ビルを高値で売り捌き
引退していく。そんな時代に突入しておりますね。今不動産高く売れますからね。
そんなブイブイ言わせていた社長さんたちの年齢も、皆様80歳〜90歳と高齢になられてるかと。
次の世代が引き継ぎ、まだ事業続けて頑張っている方もいらっしゃいますけどね!
私が百貨店販売で日本中を行脚している行商だったころ笑
22歳ぐらいの時なので23年前ですね。
オーストリッチは一目置かれる存在で
おばさんやおばあちゃんたちが誇らしげに背負って、自慢してきてました笑
あれから23年も経ってるんだから当時60歳だった方ももう83歳
いくら古着ブームとはいえ、おばあちゃんのクロコダイルバッグやオーストリッチバッグを
現代のファッションに取り入れたいとは思えないと思うので、
23年前のヴィヴィアンとかギャルソンならわかるけども、、、
はっきり言って、衰退していってしまいましたね。
革が好きっていう革へのこだわりを持った人も減っていると思います。
23年前は革といえば一目置かれる存在で
革じゃなくちゃダメ!さらにオーストリッチ、パイソン、クロコダイルはその上を行く!!
みたいな感じでしたけど、現代はさまざまな合成製品や安価な石油製品で世の中はあふれていて
「良いものへのこだわり」みたいな感情も薄れてきているからだと思います。
若い世代は買えないものが欲しいので、朝早くから原宿のブランドショップに並んで
レアものとかいう企業が作り出したレアでもなんでもない「ただ生産数が少ないだけ」のものを欲しがる。
ファッション雑誌というものは、企業というスポンサーが自社の売りたい製品を掲載させるために
お金を払って掲載しているものであり、あれはただのお金を払って買う広告。
なので雑誌はいつの間にか付録で売るようになり、付録に飽きられたら今度は
どうしたと思います?推し活を利用するようになったわけですね。
今話題のボーイズグループや俳優などを女性のファッション雑誌に起用して
雑誌をファンに買わせる。
雑誌はいつの間にか、ブランドの広告と雑誌を売るためのマーケティングだけの存在になってしまった。
それでも15年ぐらい前は、FIGAROとJOJOの奇妙な冒険のイラストでのGUCCIコラボとか
面白いことしてたんですけどね。
20代の頃は憧れていた
ブランドのマーケティングにも飽きてしまった我々アラフォーアラフィフ世代は、
雑誌に出てくる高級ブランドにも興味を無くしてしまったわけです。
今ハイブランドがお高いのは、
円安だけの影響じゃないと思いますけどね。
ハイブランドに興味を持っている層が減少しているんだと思います。
なので一点を高くしないと採算が合わないし、
生産数を減らしてレアにして高値でお金持ちに売る
無駄な経費もかからず、無駄なロスも出なくて一石二鳥。
今量産型のアパレルが問題視されている廃棄処理問題の観点からみても
「ハイブランドは地球に悪影響なことはしない!」というイメージ戦略が出来て
地球環境にうるさいセレブたちも納得。希少性があるものなのでいくらでも出す。
というね、世界の価値観が変わっていく中で
オーストリッチがいつまでも普遍であるわけが無いんですよ。(話やっと戻ってきたよw)
オーストリッチおばさんで検索している人って買う人というよりかは売る人だと思うんですけどね。
オーストリッチ欲しいな!「オーストリッチおばさん」で検索してみよ!ってならないと思うんだけど、
どういう層が検索するのかな笑
そんな中私は今年も大量にオーストリッチを仕入れましたよ!今在庫15枚ぐらいあるかな。
色はベーシックというよりかはちょっと変わり種のくすみ系が多いですね!
オーストリッチの良さって使ってみないとわからないんです。
まー私がいうのも何ですが、街を歩いていて「あのオーストリッチのバッグ素敵!欲しい!」と思うことは
皆無なのですが笑
自分が作り出すオーストリッチのバッグが好きなだけなので笑
まずですね、
★お色が良い
繊維が牛革などと違って細かくふわふわした裏面なので染めやすいんだと思います。とにかく発色が綺麗で色抜けしにくく
カラーバリエーションが豊富です。
★粒々の魅力
これもね、最初はわかんないのよ。この魅力が。何がいいのこの粒々!っていやでもこれを流行らせた人凄いと思うよ。
使ってみるとね、この粒がまたいいのよ。個体差があって。フルポイントは本当にゴージャスで贅沢だし、やや欠けてる場合も
写真のライムグリーンは少し欠けてるけど、じつはそこは背骨があった場所だから粒が無いとか、お腹には粒は無いとかさ
あのダチョウの大きな羽が生えている部分が粒なんで、粒が無い部分もオーストリッチの面白みなんですよね。
これはどんなに型押し技術が進んでも表現しきれない天然の模様なんです。
★しなやかで柔らかい
もちろん加工の仕方で硬さがあるタイプもあるのですが、最近のは本当に柔らかい。しなりも良いのでレザージャケット
などかっこいいのが作れるぐらい柔らかいですね。
NANAOBAGでは芯材を使ったり使わなかったりしてデザインに合わせて柔らかさの足し算引き算をしています。
★丈夫で長持ちで軽い
繊維がミルフィーユ状だとかよく言うんですけど、オーストリッチの裏はモケモケした繊維が絡まるようについています。
革の一番上の部分(真皮)を銀面というんですけど、その銀面がしなやかで強いので薄くしても破けないんです。
0.1mmぐらいに薄くしても破けないですよ。でも粒に穴が空いてしまうのでそこまで薄くは出来ないのだけど
お腹部分などはそもそも0.1mmぐらいの厚みしか無いのですが人間の力で引きちぎることは無理ですね。
私の経験上牛革の10倍長持ちします。
★ダサいのはデザインと時代
オーストリッチが売れていた頃、値段も今の5〜10倍ぐらいと言っていいほどお高かったわけですが、
相場で20〜35万ぐらいかな。
そんな値段のバッグを買える層に合わせたデザインなので
「子育てがひと段落したお金に余裕がある60代〜」がターゲットなわけで
そんな層に響くデザインが「オバサンで今でいうダサい」だったので、日本の市場に出回るオーストリッチの印象が
オバ様のバッグになってしまったわけです。
イタリアとかに行くとめちゃくちゃかっこいいおねーさんがロングブーツにオーストリッチの袋バッグみたいなの
斜めがけとかにしていてめちゃくちゃイケてる人いるんですけどね。
なぜか日本だけターゲットが90年代のオバサンに絞られてしまったわけです笑
★高級感
オーストリッチは高級素材なんですよね。たしかに牛革の仕入れよりも値段が5倍ぐらいしていました。
最近は牛革の方が値上がり率が高いですね。
オーストリッチも真面目に仕入れると普通に高いんですけど私は出物を仕入れているので
え?そんな値段で大丈夫なん??みたいなおお値段で売れる価格じゃないと仕入れない笑
なのでまとめて仕入れるんで、無い時は無い。(仕入れられるけどお客様の想像のはるか上を行く見積もりになると思う。
え?そんなに高いの??NANAOさんとこで5万で出てるじゃーん!みたいな。
今の時代5万じゃオーストリッチの革買えないです。
ネットに安いものが出ている場合もあるけど、品質含めて信頼出来るところで買いましょう。
まぁ、プロは良いものをお安く仕入れるのでその企業が年間めちゃくちゃ大量に仕入れていれば、
仕入れの値段も安くなるだろうけどね。
今はそんな業者も少ないんじゃないかな。結構大手もオーストリッチとかはミニマムに仕入れていると思いますけどね。
という以上を踏まえてですね、
今オーストリッチの人気が低迷している中(私的には問屋の在庫革を安く仕入れられるからいいんだけどさw)
オーストリッチにはこんな魅力があって面白い素材なんだよ!
というのをですね、微力ながら伝えていくことを使命だと勝手に心得ております。
オーストリッチだけでなく、パイソンやクロコダイル、リザードもですね(最近トカゲ飼い出したのであまりリザード革使いたく無い笑)
とても魅力的な存在なのです。上記の素材をエキゾチックレザーと言います。
私的には全然流行ってくれなくていいんですけど、
流行ると値段が上がるので。やっとあの馬鹿げた値段から落ち着いてきたというのに。
どう仕入れてどう作ったら2000万になんだよ!とH様には言いたいですけどね、
それのコピー品もどうやったらその材料と工賃で300万になんだよ!!と思うんですけどね。
まぁ、うちは店舗も家の前だし(店舗といえない倉庫となりつつある笑)
ネット販売には結構お金をかけてるんですけどね、店の家賃よりネット経費の方が高いw
人件費も結構かかってるけど、
やはり一番かかるのは家賃よ。毎月20万だ30万の家賃支払うのに
どんだけ売ればいいわけ??
東京の一等地なら家賃200、300万位きますからね。
いま軒並みゴーストタウンになってるみたいだけど。
それでもダイヤモンドでも埋め込まないと300万にはならんだろと思うんですけどね。
まー適正価格で、オーストリッチは20万 クロコダイルは60万が限界かなと思います。(それ以上高くは出来ないという意味)
安くは出来るけどね。
倒産品だったりとか委託品でお疲れ品とかさ。捨てるよりは売りたいぐらいまでの価値が下がれば。
そういう無駄な経費と無駄な在庫が無いので、うちの製品はお安いんですけど。
このバランスをキープするのめちゃくちゃセンスがいるんですよ笑
なので売れなくなったら作るのやめるしか無いんですけどね。
お安くおしゃれなエキゾチックレザーをご紹介するのが私の使命なんですけど
素材はめちゃくちゃこだわっています^^
面白い素材を探すのが好きです。
あとデザインもシンプルだけど旬を意識しています。
雑誌は嫌いだけどファッションは好きなんで。自分を着飾ることに興味は無いんだけどね。作る側なんで。
という雑談になってしまいましたが
オーストリッチを売る側の人は是非一度自分で使ってみてその良さや耐久性を知って欲しいですね。
知らないものは売れないし、オーストリッチはオバサンって価値観しか無いなんて悲しいわ。
使う側の人も革が好きなら是非オーストリッチを試してみてください。
粒が苦手なら粒無しの部位でもいいですよ。
それでも良さがあります。私も昔は粒が無いオーストリッチに価値はねえ!ぐらいに思ってたんですけど
そんなことないんですよ。粒がなくてもちゃんと私オーストリッチよ!と主張してる素材なんですよ。
このありとあらゆるものが値上げしていく中
残るものは本物と良いものだけなんです。
オーストリッチにも生き延びてもらいたいですね!
オーストリッチは素晴らしい素材なんだ!ということをですね
もっと知ってもらいたいと思っています。
今年も良いオーストリッチお安く仕入れることに成功したのでニヤニヤが止まりませんよw
新作バッグも楽しみにしていてくださいね!